YKK APの天窓とは。
E型・T型・F型、サイズ、保証、交換の目安。
アルミサッシ国内1位のYKK APが売る「天窓シリーズ」。ベルックスとの提携、E型・T型・F型の違い、規格サイズ、20年保証、古い「スカイスルー」との見分け方、雨漏りしたときの相談先まで。YKK APの天窓を交換・修理している屋根職人が、調べて確かめたことと、現場で知っておいてほしいことをまとめました。
01YKK APの天窓とは

YKK AP(ワイケイケイ エーピー)は、アルミサッシの出荷数で国内1位とされる建材メーカーです。窓、玄関ドア、シャッター、エクステリアまで、住まいの建材をつくっています。そのYKK APが売っている天窓が、「天窓シリーズ」です。
公式サイトでは、この天窓を「空とつながる。自然と触れ合う。」と紹介しています。特長は大きく4つです。
- 約4倍の通風 … 南北の窓だけを開けたときと、南面の窓と階段の上の天窓を一緒に開けたときを比べた数字です。暖かい空気が上へ抜ける「煙突効果」で、風の通り道ができます。
- 約3倍の採光 … 天窓の光は上から降りるので、壁の窓にくらべて約3倍の明るさがあるとみなされます(建築基準法施行令第20条第2項)。
- 日本専用仕様の耐候性 … トリプル防水構造。風洞実験で、最大風速40m/s、降水量200mm/hまで台風や豪雨を再現して確かめています。
- 最長20年の長期保証 … 10年目と20年目に有償の安心点検があり、受けると保証期間が延びます。
天窓屋は、ベルックスだけでなく、YKK APの天窓の交換・雨漏り修理・撤去にも対応しています。このページでは、YKK APの天窓について、公式の資料で確かめられたことと、屋根職人として知っておいてほしいことをまとめます。
02YKK AP と天窓のあゆみ
- 1934年 … 創業者の吉田忠雄が、ファスナーの加工・販売の会社を始めます(のちの吉田工業)。「YKK」は、Yoshida Kōgyō Kabushikigaisha(吉田工業株式会社)の頭文字です。
- 1957年7月22日 … YKK AP の前身にあたる会社が設立されます(公式の会社概要の設立日)。社名の「AP」は Architectural Products(建築用の製品)の頭文字です。
- 1989年9月 … 「アルミ天窓 スカイスルー」のカタログが発行されます。YKK AP の WEBカタログに旧版として残っています。
- 2005年9月 … 「断熱天窓 スカイスルーウインテル」のカタログが発行されます(旧版)。
- 2014年5月・6月 … 「天窓シリーズ」のカタログが発行され、商品の発売は6月と案内されています。カタログの概要には「ベルックスとの提携商品」と書かれています。
いま売っている「天窓シリーズ」は2014年に始まったものです。それより前の YKK AP の天窓は、スカイスルーやスカイスルーウインテルという別の商品でした。家の天窓が YKK AP のものでも、設置の年によって、中身が別の商品だということです。
03天窓シリーズのラインアップ





画像:YKK AP 公式サイトより(商品写真は外観)
YKK AP の公式サイト(2026年10月時点)では、計5つのラインアップが載っています。
YKK AP の天窓(E型・T型・F型)
- E型(突出し窓 電動タイプ) … リモコンで開け閉めする天窓。雨を感じると自動で閉まる「吹き込みセンサー」が標準です。タイマー付きのリモコンで、日時や曜日を決めて開け閉めもできます。
- T型(突出し窓 手動タイプ) … ハンドルか操作ロッドで開け閉めする天窓。
- F型(FIX窓タイプ) … 開け閉めしない、明かり取りの天窓。
E型とT型には、固定の網戸が標準で付いています。ガラスは、一般のガラスの3倍以上の強度がある強化ガラスが標準です。
日本ベルックス販売品(FCM・GGH)
- フラットシリーズ FCMフィックスタイプ … 陸屋根(平らな屋根)やゆるい勾配の屋根に付けるフィックスタイプ。
- GGH排煙タイプ … ふだんの開け閉めと、火事のときの排煙の、両方ができる電動の天窓。
この2つについて、YKK AP の公式サイトは「日本ベルックス(株)販売品」と書いていて、仕様や施工方法は日本ベルックスに問い合わせるよう案内しています。
04規格サイズと性能
E型・T型・F型のサイズは、決まった規格から選びます。サイズオーダーはできません。 下の表は、2014年7月第2版のカタログの数字です(いまの仕様と違うことがあります)。型番は「幅の記号+高さの記号」で、0709 なら幅およそ776mm×高さ975mmです。
| 規格 | 呼び寸法(幅×高さmm) | E・T型 換気面積 | E・T型 採光面積 | F型 採光面積 |
|---|---|---|---|---|
| 0506 | 546×695 | 0.26㎡ | 0.21㎡ | 0.28㎡ |
| 0705 | 776×547 | 0.29㎡ | 0.24㎡ | 0.32㎡ |
| 0707 | 776×775 | 0.44㎡ | 0.38㎡ | 0.48㎡ |
| 0709 | 776×975 | 0.58㎡ | 0.51㎡ | 0.62㎡ |
| 0713 | 776×1,395 | 0.87㎡ | 0.78㎡ | 0.91㎡ |
| 1111 | 1,136×1,175 | 1.09㎡ | 1.00㎡ | 1.15㎡ |
| 1105 | 1,136×547 | — | — | 0.49㎡(F型のみ) |
取り付けられる屋根の角度は、15°〜85°(2.7寸以上)です。専用の「緩勾配セット」を使うと、11°(2寸)の屋根にも付けられます。
性能は、耐風圧 S-6、気密 A-4、水密 W-5。本体の熱貫流率は、E型・T型で 2.18 W/(㎡・K)、F型で 2.28〜2.33 W/(㎡・K)です。
05ガラス・防水・保証
ガラス
ガラスは、Low-E強化ガラスを使った複層ガラスで、3種類から選べます。
- 透明合わせ(Low-E強化3mm+中空層+倍強度合わせ2.5mm)
- 透明網入(Low-E強化3mm+中空層+透明網入6.8mm)
- 型網入(Low-E強化3mm+中空層+型網入6.8mm)
どれも日射除去率は71%、紫外線カット率は96〜99%です。木枠はパイン材で、外側の板はアルミです。
トリプル防水構造

天窓の雨漏りは、天窓と屋根のつなぎ目で起きます。YKK AP の天窓は、次の3つで水を止める構造です。
- デッキシール(固定金具枠)
- ルーフィングシート+防水テープ
- 専用水切り
専用水切りは、屋根の材料(平板・瓦・鋼板)に合わせたものを選びます。雪の多い地域では、天窓の上に雪を逃がす「ジャンプ台」を作る方法が、オプションとして用意されています。
保証
2014年版のカタログでは、保証は部分ごとに3段階です。
- 20年 … ガラスのシールからの雨水の浸入、ガラスの内部結露
- 10年 … 天窓本体の枠やサッシのあいだからの雨水の浸入、水切り
- 3年 … ブラインド、操作キット、モーターなどの電装部品
公式サイトでも「最長20年」と案内しています。10年目と20年目の有償の安心点検を受けると、保証が延びます。保証の内容と条件は変わることがあるので、いま付いている保証は、必ず保証書とYKK APの窓口で確認してください。
なお、2014年版のカタログには、「すが漏れは保証対象外」と書かれています。すが漏れは、雪国の屋根では天窓まわりの雨漏りの原因としてよく出てくる現象です。くわしくは、コラムの雪とすが漏れの記事をご覧ください。
06ベルックスとの関係と、見分け方
ベルックスとの関係
確かめられたことを、順に書きます。
- YKK AP の WEBカタログの2014年5月版「天窓シリーズ」の概要に、「ベルックスとの提携商品」と書かれています。
- 公式サイトのラインアップで、FCM と GGH は「日本ベルックス(株)販売品」と明記されています。
- 2014年版のカタログに、耐候性を調べる風洞実験装置として「デンマークのウースビアック工場内」の写真が載っています。
- 外部の比較記事(建材ダイジェスト)は、YKK AP と三協アルミの天窓の製造元はベルックスだと書いています。
ただし、E型・T型・F型の製造元を YKK AP が公式に書いているわけではないので、このページでは「ベルックスとの提携商品」までを事実として書きます。なお、ベルックスの天窓については、ベルックス(VELUX)の天窓とはにまとめています。
働きの近いベルックスの天窓
YKK AP の型と、ベルックスの型は、開け閉めのしかたで見ると近い位置にあります。同じ製品という意味ではありません。
| 開け閉め | YKK AP | ベルックス(高い場所用) |
|---|---|---|
| 電動(リモコン・雨センサー) | E型 | VSE |
| 手動 | T型 | VS |
| 開かない | F型 | FS |
| 平らな屋根・ゆるい勾配 | FCM | FCM |
| 排煙 | GGH | GGH |
うちの天窓は YKK AP?
天窓の枠の内側(室内側)に、銘板(メーカーと型を書いたラベル)が付いていることが多いです。そこに、メーカー名と型式が書かれています。見つからないときや、読み取れないときは、天窓の写真を送っていただければ、見立てます。
07屋根職人として知っておいてほしいこと
ここからは、屋根に上がる職人の立場から書きます。
設置の年を確かめてください
いまの「天窓シリーズ」は2014年に発売されたものなので、いまから最長でも12年ほど前のものです。交換の目安の25年には、まだ早い天窓がほとんどです。一方、YKK AP の名前が付いていても、1989年のスカイスルーや2005年のスカイスルーウインテルは、25年を過ぎたものがあります。そういう古い天窓は、屋根とのつなぎ目や防水紙が傷んでいる可能性が高いです。
保証が残っていたら、まず YKK AP へ
設置から10年以内なら、天窓本体と水切りからの雨水の浸入は、メーカー保証の対象になることがあります。雨漏りに気づいたら、先に保証書を探して、YKK AP に連絡するのが順番です。保証の対象になれば、費用をかけずに直せる場合があります。
保証が切れている・対象外のとき
次の場合は、メーカー保証で直らないことがあります。天窓屋にご相談ください。
- 保証期間が過ぎている
- すが漏れなど、保証の対象外とされる原因
- 屋根材や防水紙など、天窓の周りの傷みが原因
- 販売を終えた旧型(スカイスルー系)の天窓
YKK APの天窓から交換するとき
YKK AP の天窓でも、現地で採寸して、合う天窓を選びます。開かないタイプから開くタイプへ、手動から電動へ、とタイプを変えることもできます。交換の流れ、工事の中身、費用の内訳は、コラムの交換工事の流れ・交換の料金の中身や、地域のページにまとめています。屋根全体をやり直す必要はなく、天窓のまわりだけ屋根材を切って開けて、取り替えます。
08出典と、このページについて
このページは、天窓屋(運営:瀧澤屋根工業)が、屋根工事店の立場でまとめたものです。天窓屋は YKK AP の代理店でも、提携先でもありません。 YKK AP の天窓の交換・修理・撤去を行う屋根工事店です。そのため、YKK AP の製品の値段は載せていません。
会社と製品についての記述は、2026年10月に次のページで確かめました。製品の仕様や保証は変わることがあります。最新の内容は、YKK AP の公式サイトでご確認ください。
- YKK AP 天窓 シリーズ(特長、保証)
- YKK AP 天窓 シリーズ ラインアップ(E型・T型・F型・FCM・GGH、日本ベルックス販売品の注記)
- YKK AP WEBカタログ(旧版)「天窓シリーズ」2014年5月(「ベルックスとの提携商品」)
- YKK AP WEBカタログ(旧版)「アルミ天窓 スカイスルー」1989年9月
- YKK AP WEBカタログ(旧版)「断熱天窓 スカイスルーウインテル」2005年9月
- 「天窓シリーズ」業務用カタログ 2014年7月第2版(YKK AP、規格表・性能・保証。販売店サイトで公開されたPDF)
- YKK AP 会社概要(設立日)
- YKK AP よくあるお問い合わせ「AP」の意味
- YKK「YKKってずっと社名じゃなかったの?」(社名の由来)
- 建材ダイジェスト「国内4社のトップライト(天窓)を比較してみた」(製造元についての外部の記事)
YKK APの天窓の、無料の見積り
写真3枚で、その日のうちに概算をお返事します。
室内のシミ・建物の全景・天窓のアップ。1枚だけでも大丈夫です。型番や設置の年が分からなくても、写真で見立てます。
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天窓屋は、YKK APの天窓の交換・雨漏り修理・撤去を行っています。料金と進め方は地域ごとに違うので、お住まいの地域のページをご覧ください。