築28年のベルックスの天窓を、ばらしてみた。木枠はここまで腐っていました(GGL304・780×975)
工事で取り外した、築約28年のベルックスの開閉式の天窓(GGL304・780×975)をばらしてみました。屋根の上からも部屋の中からも見えない木枠が、黒く腐ってぼろぼろになっていました。写真3枚で中身をお見せし、なぜ腐るのか、パッキンやコーキングで直らない理由を屋根職人がまとめました。
天窓の工事で取り外した古い天窓は、私たちが持ち帰って、ばらしてから処分しています。屋根に付いているあいだは見えない部分が、ばらすと全部見えるからです。
今回ばらしたのは、築約28年のお宅に付いていた、ベルックスの開閉式の天窓です。屋根の上から見ても、部屋の中から見ても、「古いけれど、まだ使える」ように見える天窓でした。ところが、ばらしてみると、ガラスのまわりの木枠が黒く腐って、ぼろぼろに崩れていました。
この記事では、その写真を3枚お見せします。同じ年ごろの天窓をお使いの方は、ご自宅の天窓の「見えない部分」がどうなっているかを想像しながら読んでみてください。
01今回ばらした天窓
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | VELUX(ベルックス) |
| 品番 | GGL304 |
| タイプ | 開閉式(手動)。窓の真ん中を軸に、くるっと回って開くタイプ |
| 枠 | 木枠(外側は金属のカバーで覆われている) |
| 大きさ | 780×975mm(天窓でいちばん多い大きさ) |
| 築年数 | 約28年 |
GGL は、ロフトや吹き抜けの、手の届く位置に付けることが多い天窓です。枠が木でできていて、屋根の外に出る部分だけを金属のカバーで覆っています。ベルックスの天窓の種類については、ベルックスの解説ページにまとめています。
02写真1 外したあとの天窓

一見すると、ガラスも割れていませんし、枠も形を保っています。屋根に付いていたときは、外から見えるのはこのグレーのカバーとガラスだけです。木の部分は、ほとんど見えません。
03写真2 ガラスのまわりの木枠は、黒く腐っていた

いちばんひどかったのは、ガラスのすぐ横の木枠です。木が黒く変色して、繊維がほぐれ、ところどころ崩れ落ちていました。木の板がはがれて、浮き上がっている所もあります。
ここは、ガラスを押さえているゴムのパッキンのすぐ裏側です。パッキンが硬くなってすき間ができると、雨はまずここに入ります。入った水が、何年もかけて木を腐らせた跡です。
04写真3 カバーの下の木枠にも、黒いシミと割れ

金属のカバーの下になっていた木枠の側面にも、黒いシミが点々と広がり、表面が割れて、ささくれていました。カバーの内側に回った水が、乾かないまま木にしみ込んでいたと考えられます。
05なぜ、木枠はここまで腐るのか
木は、ぬれても乾けば、すぐには腐りません。腐るのは、ぬれたまま乾かない状態が、長く続いたときです。天窓の木枠は、まさにその状態になりやすい場所です。
- パッキンが硬くなって、すき間から雨が入る … ガラスまわりのゴムは、25年ほどで硬くなって縮みます。
- 入った水が、木枠にしみ込む … 水は、ガラスのすぐ横の木枠や、金属カバーの内側にたまります。
- カバーと内装にはさまれて、乾かない … 外は金属のカバー、中は天井や内装で囲まれていて、風が通りません。
- ぬれる・乾ききらない、をくり返して腐る … 雨のたび、雪どけのたびに、これが何年も続きます。
天窓の雨漏りが「大雨の日だけ」「雪どけのときだけ」から始まることが多いのは、このためです。くわしくは天窓の雨漏りが25年で起きる理由にも書いています。
06外からも、中からも、腐っていることは見えない
この天窓でいちばん伝えたいのは、腐っていた部分は、屋根の上からも、部屋の中からも、ほとんど見えないということです。
- 屋根の上から見えるのは、金属のカバーとガラスだけ
- 部屋の中から見えるのは、内側の枠の表面と、まわりの天井だけ
- 腐っていたのは、そのあいだの木枠
だから、天井にシミが出たときには、中の木枠はもう長いあいだ水を吸っていた、ということが少なくありません。天井のシミの見方は天窓のまわりの天井にシミが出たら、内側の枠の黒ずみが結露のカビか雨漏りかの見分け方は天窓の枠の黒ずみにまとめています。
07木枠が腐った天窓は、パッキンやコーキングでは直らない
木枠がこの状態になっていると、
- パッキンだけ取り替える … パッキンを受けている木枠が腐っているので、しっかり押さえられません。
- すき間をコーキングで埋める … 一時的に止まっても、水の逃げ道をふさいで、かえって中に水をためることがあります(コーキングで直す前に)。
どちらも、根本の解決になりません。25年を過ぎて、このように枠まで傷んでいる天窓は、天窓ごと新しいものに交換するのがいちばん確実です。いまのベルックスの天窓は、枠のまわりを専用の水切りで納める作りになっています。
明かりがもういらない場合は、天窓を外して、屋根と天井をふさぐ方法もあります。3つの直し方の違いは修理・交換・撤去の選び方、金額の目安は料金表をご覧ください。
08同じくらいの年数の天窓をお使いの方へ
ご自宅の天窓が、次のどれかに当てはまるなら、一度点検をおすすめします。
- 付けてから(家を建ててから)25年を過ぎている
- 内側の木枠に、黒いシミや、ふくらみ、やわらかくなった所がある
- 大雨や雪どけのあとに、天窓のまわりの天井にシミが出る
- ガラスのまわりに、水滴やぬれた跡が残っていることがある
天窓屋では、写真3枚で、どこから漏れているかを屋根職人が見ます(撮り方は天窓の写真の撮り方)。高い所の天窓は、ご自分で屋根に上がったり、はしごで近づいたりしないでください。
なお、ベルックスの GGL のうち、1997〜2002年に製造された一部の品番(GGL101・104・325 の「3059」)は、内側のガラスのひびについて、メーカーが無償点検を案内しています。今回の GGL304 はその案内の対象ではありませんが、気になる方はベルックスの天窓、内側のガラスにひびをご覧ください。
09まとめ
- 築約28年のベルックスの開閉式の天窓(GGL304・780×975)をばらすと、ガラスのまわりの木枠が黒く腐って崩れていた
- 腐っていたのは、屋根の上からも部屋の中からも見えない部分
- 原因は、硬くなったパッキンのすき間から入った水が、乾かないまま何年も木枠にしみ込んだこと
- 枠まで傷んだ天窓は、パッキンやコーキングでは直らない。天窓ごとの交換がいちばん確実
「うちの天窓も、中はこうなっているのかもしれない」と思ったら、まずは写真を送ってください。屋根の上の作業も、見えない部分の確認も、私たちがします。